エステサロンが最初に取り組むべき“集客の基礎”──予算・メニュー・集客チャネルの考え方

結論

エステサロンの集客は、「どの媒体を使うか」よりも先に、
①集客に使えるお金の枠組み、
②お客様に選ばれやすいメニュー設計、
③複数チャネルでの集客と効果測定、
この3つの基礎を整えることが大切です。
この基礎ができていれば、どの媒体を使っても「やって終わり」ではなく、 数字を見ながら改善していくことができます。

この記事で解決できること

  • 集客にどれくらいお金を使ってよいのか、考え方の基準が分かる
  • 「当たりやすい集客メニュー」を設計するためのチェックポイントが分かる
  • ホットペッパーやSNSなど、複数の集客チャネルをどう組み合わせるかの考え方が分かる

前提となる知識

販促費(広告費)の定義

サロンの新規・リピート集客のために使う費用全般。広告掲載料、チラシ印刷費、SNS広告費など。

集客単価(1人あたりの集客コスト)の定義

広告費÷新規来店人数で計算する、1人を集客するのにかかった費用。

本題

ポイント1:まず「集客に使えるお金の枠組み」を決める

多くのサロンでは、「今月少し売上が落ちてきたから、SNS広告を足してみよう」というように、 思いつきで集客施策を追加しがちです。
しかし、最初に決めるべきなのは、「集客にいくらまで使えるのか」という上限ラインと、 「1人あたりにいくらまでかけられるのか」という集客単価の考え方です。
例えば、以下のような簡単な表を作り、毎月数字を入れていくだけでも、 どの媒体が自分のサロンに合っているのか、だんだん見えてきます。

【例:月次の集客管理で見る項目】
・媒体名(ポータルサイト/自社HP/SNS広告/チラシ など)
・その月にかけた費用
・新規の問い合わせ数
・新規来店数
・新規の売上(コース契約や物販を含む)
・1人あたりの集客単価(費用÷新規来店数)
・その媒体を今後「強化する」「維持する」「見直す」の判断

このように、「感覚」ではなく「数字の枠」で集客を見ていくと、 広告費が無駄になりにくくなります。

媒体名 費用(円) 新規問い合わせ数 新規来店数 新規売上(円) 1人あたり集客単価(円) 評価
ポータルサイト 【月の掲載費・オプション費を記入】 【その月の新規問い合わせ件数】 【実際に来店した新規人数】 【新規の合計売上】 【費用 ÷ 新規来店数】 ◎/○/△ など
自社ホームページ 【制作費・広告費などを按分して記入】 【問い合わせフォーム・電話などの件数】 【HP経由で来店した新規人数】 【HP経由の新規売上】 【費用 ÷ 新規来店数】 ◎/○/△ など
SNS広告 【その月のSNS広告の利用額】 【DM・予約リンクのクリックなどの件数】 【SNS広告経由の新規来店数】 【SNS広告経由の新規売上】 【費用 ÷ 新規来店数】 ◎/○/△ など
紙媒体(チラシ・ポスティングなど) 【印刷費・配布費などの合計】 【「チラシを見た」と言ってくれた件数】 【チラシ経由の新規来店数】 【チラシ経由の新規売上】 【費用 ÷ 新規来店数】 ◎/○/△ など
紹介・口コミ 【紹介キャンペーンの特典原価などがあれば記入】 【紹介や口コミをきっかけにした問い合わせ数】 【紹介・口コミ経由の新規来店数】 【紹介・口コミ経由の新規売上】 【費用 ÷ 新規来店数(費用がなければ空欄でも可)】 ◎/○/△ など

※この表を参考にご自身のサロンの数値を入力して評価してみてください。

ポイント2:季節性をふまえて「当たる集客メニュー」を設計する

エステサロンの売上は、1年を通じて同じではありません。 一般的に、脱毛やボディ痩身は夏前にニーズが高まりやすく、 フェイシャルや肌ケアは季節を問わず一定の需要があります。
こうした季節性(売れやすい時期)と、 お客様のコンプレックスニーズ(小顔・シミ・たるみなど)を組み合わせて、 「いつ・どのメニューを前面に出すか」を決めておくことが重要です。

そのうえで、「当たりやすい集客メニュー」には、次の4つの共通点があります。

  • お客様の検索や相談が多い“ニーズの高いテーマ”であること
  • 短時間でも変化を実感しやすい技術・施術であること
  • お客様の感覚から大きく外れない価格帯であること
  • 時間や価格の違うメニューを複数用意し、選びやすくしていること

例えば、痩身メニューなら「お試し40分」「じっくり60分」「しっかり90分」というように時間を分けたり、 価格も「スタンダード」「プレミアム」といった形で段階をつくることで、 他サロンとの差別化もしやすくなります。

メニュー名 ターゲット(年代・悩み) 施術時間 価格帯 実感しやすいポイント
フェイシャル(春) 20〜40代/ゆらぎ肌・毛穴・乾燥 45〜60分 ¥6,000〜¥12,000 毛穴の引き締まり/トーンアップ
痩身(二の腕・お腹/夏) 20〜50代/部分痩せ/夏に向けて引き締め 60〜90分 ¥8,000〜¥18,000 サイズダウン/むくみ軽減
フェイシャル(秋:シミ・くすみ) 30〜60代/紫外線ダメージケア 45〜60分 ¥7,000〜¥14,000 透明感アップ/キメ改善
保湿フェイシャル(冬) 全年代/乾燥・小じわ・肌荒れ 45〜60分 ¥6,000〜¥12,000 うるおい/ふっくら感
脱毛(季節別) 全年代/ムダ毛・自己処理負担 30〜90分 ¥4,000〜¥20,000 施術後のつるすべ感

比較表

項目感覚で集客しているサロン基礎を押さえて集客しているサロン
販促費の決め方その月の売上や気分でなんとなく決めるあらかじめ上限を決め、月ごとに予算配分している
集客単価の把握「高い気がする」「安い気がする」という感覚のみ媒体ごとに1人あたりの集客単価を計算している
季節性の活用思いつきでキャンペーンを打つ年間カレンダーで繁忙期・閑散期を把握し、推しメニューを決めている
メニュー構成メニュー数が多く、特徴が分かりにくいニーズの高いテーマに絞りつつ、時間と価格で数パターンに整理している
集客チャネル1つの媒体に依存しがちポータルサイト・自社サイト・SNSなど複数を組み合わせている
振り返りなんとなく「良かった/悪かった」で判断月1回、簡単な表で数字を確認し、来月の方針を決めている

導入ステップ

  1. まずは「1か月に集客に使ってよい金額」と「1人あたりにかけられる金額のおおよその目安」を決める
  2. 現在使っている集客チャネル(ポータルサイト・HP・SNS・紹介など)を書き出し、月ごとの費用と新規数を簡単な表にまとめる
  3. 季節性とメニューを整理し、「どの時期に、どのメニューで集客するか」の年間カレンダーをつくる

失敗しないためのチェックリスト

  • 広告を出す前に、「いくらまで使うか」を決めているか
  • 新規来店数と集客にかかった費用を、月1回は確認しているか
  • 1年を通して、繁忙期と閑散期を把握できているか
  • 集客メニューのテーマが、お客様の悩みと合っているか
  • 初回メニューだけでなく、その後の継続メニューまで設計されているか
  • 1つの媒体に依存せず、2〜3種類のチャネルを組み合わせているか
  • スタッフ全員が、どのメニューをどの時期に推すのか理解しているか

FAQ

Q1. 集客にどれくらいお金をかけるべきか分かりません。
A1. まずは「サロンの売上の中で、無理なく使える範囲」を決め、その中で媒体ごとの予算を配分する考え方がおすすめです。
具体的な割合はサロンの状況によって異なりますが、一般的には売り上げに対して10〜20%程度が目安と言われています。

Q2. 新規集客とリピーター集客、どちらを優先すべきですか?
A2. どちらも大切ですが、短期的には新規集客、長期的にはリピーターづくりが安定した経営につながります。この記事では主に新規集客の“基礎”に絞って解説しています。

Q3. 小さな個人サロンでも、集客単価を管理した方がよいですか?
A3. はい。手書きメモや簡単な表でもよいので、「どの媒体から何人来たか」を把握するだけで、今後の判断がしやすくなります。少し規模が大きくなってくると、POSシステムなどを活用すると、媒体経路などが自動集計されるようになるため便利です。

Q4. 季節性はエリアによって違いますか?
A4. 気候やライフスタイルによって多少の違いはありますが、「夏前にボディや脱毛のニーズが高まりやすい」など、一般的な傾向は多くのエリアで共通しています。自サロンの過去の来店データをあわせて確認するのがおすすめです。

Q5. メニュー数が多くて整理できません。
A5. まずは「集客用の入り口メニュー」と「継続用のメニュー」を分けて考えましょう。入口メニューは、お客様が選びやすいようにテーマと価格帯を絞ることがポイントです。

Q6. どの集客チャネルから始めるべきですか?
A6. すでに利用しているポータルサイトやSNSがあれば、まずはそこから数字の振り返りを始めるのがおすすめです。新しい媒体を増やすのは、その後でも遅くありません。

まとめ

エステサロンの集客は、特別なテクニックよりも、 「お金の使い方」「メニューの組み立て方」「チャネルの組み合わせ方」といった基礎を整えることが出発点です。
この記事で紹介した考え方は、どのサロンにも共通して使える一般的なものなので、 まずはご自身のサロンの数字とメニューを見直しながら、 無理のない範囲で1つずつ取り入れてみてください。

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