
エステサロンの単価アップと顧客満足を両立|店販で差がつく5つのポイント

エステサロンの収益を安定させるためには、施術だけに頼らない経営が求められます。その中で注目されているのが「店舗販売(店販)」の導入です。利益率の改善だけでなく、顧客満足度の向上にもつながるため、積極的に取り入れるサロンが増えています。
しかし、商品を並べるだけでは思うような売上には結びつきません。重要なのは、戦略的に店販を設計し、効果的に運用すること。本記事では、サロン経営の実践知と成功事例をもとに、店舗販売で成果を出すための秘訣をわかりやすく解説します。
エステサロンの店舗販売(店販)とは

店舗販売の目的
店舗販売とは、サロンで取り扱うスキンケア商品や美容機器、サプリメントなどを、施術とは別に販売する仕組みです。これにより単価アップや収益の多角化、さらには顧客との信頼関係の強化が期待できます。
サロンの専門知識を活かした提案は、ただの物販ではなく“プロのおすすめ”として受け取られやすく、購入意欲を高めやすい点が魅力です。
店販がサロン売上に及ぼすインパクト
実際に物販を取り入れているサロンでは、総売上の20〜40%を店販が占めるケースもあります。特にリピート性の高いスキンケアやサプリメントは、継続的な収益源となるだけでなく、カウンセリングの質向上にもつながり、結果的にリピート率の向上へと好循環を生み出します。
店舗販売でよく売れるエステ商品カテゴリ5選

スキンケア用品(化粧水・美容液・クリーム)
施術後の肌は敏感で吸収率も高いため、そのタイミングで紹介するスキンケア商品は非常に説得力があります。特に「サロン専売品」として販売される商品は信頼性が高く、差別化要素になります。
ボディケア用品(マッサージオイル・バスソルト)
自宅でもリラックス時間を持ちたいと考える顧客には、香りや使用感にこだわったボディケア商品が好まれます。入浴剤やアロマなど感覚に訴えるアイテムは、感情的価値を提供できます。
ヘアケア製品(シャンプー・トリートメント)
ヘッドスパや頭皮マッサージを提供しているサロンにおいて、施術後の髪質を保つための商品は顧客の購買意欲を高めます。特にオーガニックやサロン専用処方の製品は付加価値が高いです。
家庭用美容機器(美顔器・EMS機器など)
近年、自宅でも手軽にケアしたいという需要が高まり、家庭用美容機器が人気です。価格帯は高めですが、デモ機の設置やトライアル貸し出しを行うことで購買につながりやすくなります。
美容サプリメント(酵素・プラセンタなど)
外側からのケアに加え、体の内側からの美容を意識する女性は増えています。そこで、インナーケアをサポートするサプリメントは、他店との差別化商品としても有効です。
販売で成果を出す5つのポイント

顧客ニーズに合った商品選定
ターゲット層のライフスタイルや悩みに合わせた商品選びが成功のポイントです。例えば、30代後半から40代の女性が多く来店するサロンでは、アンチエイジング効果のある美容液やEMS美顔器が特に人気があります。市場調査やカウンセリングの結果を活かしながら、本当に売れる商品を見極めることが大切です。
スタッフの販売スキル強化
商品知識はもちろん重要ですが、それに加えて接客力や提案力が販売の成果を大きく左右します。お客様にただ売り込むのではなく、悩みやニーズに共感しながら解決策を提案する「カウンセリング型販売」を心がけることで、自然な形での販売が実現します。そのためには、ロールプレイングや接客研修を積極的に行い、スタッフのスキルを高めることが効果的です。
魅力的なディスプレイ・POPづくり
視覚的な工夫も購買意欲を高める大切なポイントです。例えば、季節ごとにテーマを変えた棚のレイアウトや、商品の使用感がわかるビフォー・アフター写真を添えたPOPを設置すると効果的です。また、QRコードを活用して成分情報や詳しい説明に簡単にアクセスできる仕掛けを作るなど、売り場づくりに工夫を凝らしましょう。
キャンペーン&決済手段の最適化
キャンペーンとしては、セット割引や期間限定の割引、LINE友だち限定価格などを活用することで、購入のハードルをぐっと下げることができます。また、キャッシュレス決済を導入することで、よりスムーズに支払いができる環境を整えましょう。さらに、リピート対策として購入特典のスタンプカードを導入するのも効果的です。
購入後フォローとリピート促進
購入後は、商品の使い方を丁寧にフォローし、来店時には使用感についてヒアリングすることで、顧客との信頼関係をしっかり築くことが大切です。また、LINEやSNSを活用してリマインド通知や再購入を促す情報を提供することで、継続的な購入につなげやすくなります。
初心者でも安心!導入ステップ

商品仕入れと仕入れ先の選び方
仕入れを始める際は、小ロットで注文できる卸サイトを利用するのがおすすめです。信頼できる国内メーカーからの仕入れはもちろん、オリジナル製品をOEMで展開する方法も選択肢として考えられます。
在庫管理と発注の基準
売れ筋商品や回転率をしっかり把握することは欠かせません。過剰な在庫や欠品を防ぐために、月ごとの販売データを分析し、定期的な発注サイクルを設定しましょう。さらに、販売管理アプリを活用すれば、効率的な在庫管理が可能になり、業務の負担も軽減できます。
スタッフ教育とトークマニュアル
スタッフ全員が同じレベルの接客スキルと商品知識を持つことは非常に大切です。そのために、トークマニュアルやFAQを共有して、チーム全体で販売力を高めていきましょう。統一された対応ができることで、お客様に安心感を与え、信頼を築くことができます。
店販で失敗しないための注意点

価格設定と利益率について
価格設定は適切な利益率を確保しつつ、顧客の購買意欲も考慮することが重要です。一般的には30~50%の利益率を目安に設定するとよいでしょう。価格が高すぎると買いづらくなり、逆に安すぎるとブランドのイメージが損なわれるリスクがあるため、バランスをしっかり見極めることが大切です。
押し売りではない自然な提案
強引なセールストークはかえってマイナスになることがあります。大切なのは、顧客の悩みをしっかりと丁寧に聞き、その課題を解決するための手段として商品を提案することです。そうすることで、顧客からの信頼を得られ、納得して購入してもらいやすくなります。
品質管理とクレーム対応体制
商品に破損や不具合があった場合に備えて、返品ポリシーを明確にしておくことが大切です。また、トラブルが起きた際にスムーズに対応できるよう、対応マニュアルも用意しておきましょう。さらに、仕入れ先としっかり連携し、保証やサポートが充実した商品を選ぶことも重要です。
オンラインと連動した販売戦略

オンラインショップ併用のメリット
来店せずとも商品が購入できるオンラインショップの導入は、機会損失の防止と継続購入の促進に有効です。LINEやInstagramと連携させることで、スムーズな導線を作れます。
オンライン販促の実践例
- LINEステップ配信による商品の紹介
- Instagramでのビジュアル投稿とレビュー
- 限定クーポンの配信や購入特典の案内
これらを活用して、効果的にファンを増やせます。また、限定クーポンや購入特典の案内を活用すれば、さらにお客様の興味を引き、購入につなげることができます。
顧客タイプ別の販売アプローチ戦略

美意識が高いリピーター層への提案
顧客の継続的な美容意識に応じて、より専門的で高価格帯の商品を提案しましょう。信頼関係が築けているお客様には、商品の明確な効果や根拠をしっかり伝えることが、購入につながるポイントです。
美容初心者・新規顧客へのアプローチ
はじめて商品を購入するお客様には、手に取りやすい価格のトライアルセットや、効果がわかりやすく伝わる説明が効果的です。また、カルテやアンケートを活用し、それぞれのお悩みに合わせた商品を提案することで、安心感と満足度の高い販売につながります。
売上分析とPDCAの回し方

店販売上の可視化
POSシステムやスプレッドシートを活用することで、商品別・スタッフ別・時期別などの視点から売上を細かく分析できます。どの商品が好調か、どこに改善の余地があるのかが見えやすくなり、今後の販売戦略に役立てることができます。
改善策と施策の見直し
思うように売上が伸びない場合は、その原因をしっかりと分析し、販促ツールの改善やスタッフの接客スキル向上など、状況に応じた対策を柔軟に講じることが大切です。定期的に振り返りと見直しを行い、PDCAサイクルを回していくことで、着実に成果へとつなげることができます。
在庫リスクを抑える工夫

小ロット仕入れからスタート
店舗販売を始めたばかりのエステサロンにとって、大量の在庫を抱えることはリスクになります。まずは需要を見極めるため、小ロットで仕入れを開始しましょう。スーパーデリバリーやミヤタッチなどの仕入れサイトでは、少数ロットやテスト販売向けの発注が可能です。これにより、初期投資を最小限に抑えながら、実際の販売データをもとに商品選定を改善していけます。
売れ筋と死に筋の把握
定期的に販売データを見直し、よく売れている商品とそうでない商品をしっかり把握しましょう。人気のある商品には仕入れや販促を集中させる一方で、あまり動きのない商品はラインナップを見直すことも大切です。こうした調整を行うことで、在庫のムダを防ぎ、キャッシュフローの悪化も回避できます。
セット販売やキャンペーンで回転促進
動きが鈍い商品でも、人気商品とセットにしたり、キャンペーン価格で販売したりすることで、回転率を高めることができます。たとえば、「スキンケア3点セットで10%オフ」や「初回購入者限定のお試しセット」など、お得感や特別感のある組み合わせは、お客様の関心を引きやすく、購入の後押しにつながります。
スタッフ使用による体験共有
在庫の動きが鈍い商品でも、スタッフ自身が実際に使ってみて、その使用感や感想をSNSやPOP、接客時に共有することで、より信頼性のある提案ができます。スタッフのリアルな体験談は、お客様に安心感を与え、商品の魅力をより身近に感じてもらえるため、購買意欲を高めるきっかけになります。
まとめ
エステサロンにおける店舗販売は、適切に運用することで、サロンの収益を安定させるだけでなく、顧客満足度の向上にも大きく貢献します。成功のポイントは、顧客ニーズに合った商品の選定や、スタッフの販売スキル向上、魅力的な売場づくり、さらに購入後の丁寧なフォロー体制にあります。
加えて、小ロットでの仕入れや売れ筋商品の分析など、在庫リスクを抑える工夫も重要です。オンラインとの連携や、顧客タイプに応じた提案も取り入れることで、より効果的な販売につなげられます。
これらの取り組みを一つひとつ丁寧に実践していくことで、施術以外にも安定した収益源を築くことができるでしょう。
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